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インプラント治療の普及
1980年頃、インプラント治療が日本の臨床の場に登場し、現在に至ります。
海外から紹介されはじめた頃は、材料面でも、技術面でも今とくらべるとまだまだ未熟な状態でしたが、その後のいろいろな改良、改善により、現在では、インプラント治療の臨床も進んできています。
インプラント治療を手がける歯科医師も増加し、患者さんにとって治療が受けられる機会が増してきているのは喜ばしいことです。
以前であればインプラント治療を受けるためにずいぶん遠方まで通院をしなくてはならなかったのに、最近では自宅の近隣で治療を受けることが可能になってきました。
インプラント治療の普及と医療機関による治療レベルの開き
インプラント治療が普及し、多くの歯科医師が手がけるようになったために患者さんにとって便利になった反面で、一方で少し困ったことも出てきています。
インプラント治療というのは、歯周病の治療、歯科口腔外科の治療、補綴(冠や義歯)の治療、咬合(咬み合わせ)の治療など、様々な治療分野が関わってきます。
つまり、様々な治療分野にわたって、総合的な治療を結集し、初めて治療がおこなわれるということになります。
にもかかわらず日本の歯科大学でのインプラントに関する正規の教育は、十分ではないのが現状だと思います。
つまり現在では、おのおのの歯科医師が大学卒業後にインプラント治療に対しての知識と技術の修得を各自でおこなっていると考えています。
もちろん日本口腔インプラント学会には、インプラント専門医という資格があり、その取得に際し、試験に合格した歯科医師はインプラントに関する情報を持ち合わせています。
しかし、インプラント専門医でなくてもインプラント治療は可能ですので、多くの歯科医師が手がけるようになるにつれて、インプラント治療に不慣れで、経験も知識も少ない歯科医師がインプラント治療をおこなう可能性も増えてきています。
その結果なのでしょうか、ここ数年マスコミをにぎわすようなインプラント治療に関する医療トラブルも徐々に増加してきています。